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須田悦弘コラム 思い出の「リフもの」たち

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皆様こんにちは、須田悦弘です。今週はこちらから!
執筆中のただいま、GW真っ只中です。
去年に引き続き、都内をウロウロしております。
空いていて、これはこれで、なかなかお気に入りです。

【休憩話】

さて、今回は理論編を一回お休みさせていただきます。
3月末に、NPO法人「Music Planz」で講義をしてまいりました。
珍しいことなのですが「リフについて」、とお題を予め指定されました。

今10代、20代の方々って、どのくらい「リフ」を意識しているものでしょうか。
申し訳ないことに、ちょっと勉強不足で分からないのですが、
私がその年代の頃は世の中「リフ」に溢れておりました。

リフについて説明するならば、こんな感じでしょうか。
 ・短めの繰り返しフレーズ。

 ・イントロや間奏など歌の合間に使われたり、
  歌のバッキングで使われたりなど様々。

 ・時にはメロディよりリスナーの耳に残るもの。

 ・もはやその曲そのもの。メロディをも凌駕する。

星の数ほどある「リフもの」ですが、
当時の記憶から思いついたものをランダムに挙げてみます。

smoke on the water/Deep Purple
 ギタリストじゃなくても弾ける人が多い、有名すぎるギターリフ
 これ系は枚挙に暇がないですね。

JUMP/Van Halen
 ジャンプといえばまず、キーボードリフでしょう。
 まさにこのリフが、ジャンプという曲そのものでしょう。

Separate ways/Journey
 リフ自体が泣きの旋律で様式美的。

迷信/Stevie wonder
 クラビネットの代表曲とも言えるリフ。

Notorious/Duran Duran
 クリーンギターのカッティング奏法によるリフ。

Runaway/Bon Jovi
 ピアノのトップノートを動かしたコード連打によるリフ。

Metallica/Damage Inc.
 これはリフなのか?!超高速変態フレーズ。

どうでしょう。偉大なビッグネームたちが作り上げた名リフ。
ダメージインクあたりは、今のラウド系やアニメソングに通じていたりするのでしょうか。
この辺りをヒントにしながら作曲をしたならば、面白い曲ができるかも知れないですね。

【おわりに】
次回からまた、なにか理論的なネタについて
シリーズ物を書いてみるつもりでおります。
ではでは!今週もお読みいただき有難うございました。

須田悦弘

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須田悦弘コラム Augmentコードって実は!(その3)
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こんにちは、須田悦弘です。
早速前置きナシで行きましょう!

【理論編】
前回のシメは
“E7というコードは、この中からRoot,M3,P5,m7を重ねたものですね”
でした。
逆にいうとPhrygian #3の7音のうち上記4音はコードトーンです。
では、それ以外の音は、一体どういう音なのでしょうか。
正解を言ってしまうと、
♭9 :テンション
11:アボイド
♭13:アボイド
です。念のため補足ですが、
テンションとは、適度な緊張感(=テンション)を生み出す音、
アボイドとは、使い方に注意しないと不協和音になる音、ですね。
スケールとは、構成音が何なのかだけでなく、それぞれが、
コードトーン、テンション、アボイドどれにあたるのか理解して、
はじめて作曲の手助けになるものだということを覚えておいてください。

さて、ここでアボイドの♭13に注目してみましょう。

この音を、ドではなく、シ♯と考えてみたらどうでしょう。
つまり、♭13ではなく、+5であり、それはつまり
アボイドでなくコードトーンと考えるのです。
そして、Root,M3,+5,m7と重ねてみると、
なんとE+7が出来上がるではないですか!驚きです。

早速これを、コードプログレッションに組み込んでみましょう。

弾いてみてください。どうでしょう!これ。かっこいいですよね。
E+7、前々回書いたように”考え中”のBGMと同じ構成音なのに、
こう弾くと正反対の印象で、チビっとお酒でも飲みたくなる渋さです。
Augmentコードって実は、こんな一面も持っていたのです。

尚この場合、スケール上に2つの5thは共存できないので、
メロディにP5を使う場合には注意が必要なことも、つけ加えておきます。

【おわりに】
数年にわたるコラムを書いておりますが、今シリーズでは初めて、
出し惜しみせずに理論の真髄のうち、ほんの一部分をお見せいたしました。
如何でしたでしょうか。
「理論」=「禁則事項集」のように恐れている方もいらっしゃいますが、
今回示した一例のように誤解です。正反対で、ちゃんと理解すれば、
個人の発想ではたどり着けない音を導いてくれるものでもありますし、
さらに発展して次に進めることもできるんです。

来週からまた、新しいテーマで書いてまいります。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。

須田悦弘

 

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須田悦弘コラム Augmentコードって実は!(その2)

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こんにちは、須田悦弘です。
さて桜も見頃となりました。お花見はされましたでしょうか。
私はというと、毎年楽しみにしている公園の桜があるのですが、
今年は土壌から汚染物質が見つかったとかで、立入り禁止になってしまいまして、
仕方なく、悲しい気持ちで他の桜を眺めております。

【理論編】
先週の続きです。Bm7(♭5)-E7-Am7という王道コード進行について。
キーオブ・CのⅦ-Ⅲ7-Ⅵですね。ここで、E7つまりⅢ7に対応するスケールは何でしょうか。

ところで、スケールという言葉を、正しく理解しているという自信はありますでしょうか。
・何となくわかるけど、いざ他人に説明するとなるとモヤモヤする。
・どんな風に役に立つのかイマイチぴんとこない。
という方、意外と多いんです。特に鍵盤出身の方。もちろんDTM出身の方も。
ギタリストであれば、コード&スケールで覚えている方の方が多いのですが。
ここは、そのうちまた記す予定です。今回のシリーズでもだいぶ理解出来ると思います。

元に戻りまして、Ⅲ7に対応できるスケール、たくさん有ります。
一番オーソドックスで王道なのが、Phrygian #3です。おじさん世代ですと、
Harmonic minor Perfect 5th Belowという名前で覚えている人が多いと思います。

様式美ヘビーメタルのギタリストが早弾きで演奏するので有名ですかね。
オシャレからは程遠い、切ない泣きのフレーズ、というイメージだと思います。
もうちょっと掘り下げてみましょう。Eから始まるPhrygian #3は、
E,F,G#,A,B,C,D,(E)
ミファソ♯ラシドレミ
です。スケールを理解するためには、これを必ずRootからのインターバルで覚えてください。
Root,♭9,M3,11,P5,♭13,m7,(Root)
という風に。こうするとルートがどこに移動しても構成を導くことができます。
E7というコードは、この中からRoot,M3,P5,m7を重ねたものですね。
【次回予告】
だいぶ情報量が増えてきたので、続きはまた次回記します。
目からウロコの渋かっこいいコード進行がいよいよ登場しますよ!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。

須田悦弘