漆野淳哉 コラム Vol.083 【低山ハイキング】

みなさん、こんにちは。

しばらく、私は冬休みモードです。

家にいても、運動不足になるばかりなので、寒いのは苦手ですが、低山ハイキングに出かけたりしています。ほんとは、灼熱の炎天下の中を歩くのが好きなのですが、今の時期は仕方ないです。(><) 

で、私の場合ですが、観光客でごった返しているところは苦手なので、いつも出かけるのは、穴場スポットばかりです。ありがたいことに、多くの人たちが、箱根や高尾山といった、有名なスポットにばかり行ってくれているので、穴場スポットは、ほんとに人影も少なく、なんていいますか、のんびりと過ごせています。 83-1

で、今回も滝と小高い山を巡る初心者コースですが、連休でいいお天気なのに、ほんとに誰も来ていないというか、滅多にハイカーの人に遭遇することもありません。で、このあたり、あちこちで、ミカンの木が実をつけていたので、写真を撮っていたら、近所のおじさんが、誰も食べないから、採って食べてもいいよ、と話しかけてきました。

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確かに、木から落ちて、誰も食べないミカンがたくさんありました。せっかくなので、それでは、ということで、ミカンをひとつ食べていると、そのおじさん、自分の家から、袋にたっぷり入ったミカンを持ってきて、見ず知らずの私にくれたのでした。結構な量だったので、これを持って歩くのは、・・・・と一瞬、思いましたが、見知らぬおじさんのご好意をありがたくいただきました。そしてまた、少し歩くと、まだ1月上旬なのに、梅の花や菜の花が咲いていたので、写真を撮っていると、今度は、軽トラのおじさんが、わざわざ停車して話しかけてきました。あ、また、ミカンをくれるのかな、とか思っていたら、そうではなくて、このあたりには、河津桜があって、2月には花を咲かせるということを教えてくれたのでした。 83-3

それにしても、親切といいますか、感じのいいおじさんたち。ここは、丹沢湖がある神奈川県の山北町というところですが、のどかで、自然がいっぱいで、思いがけなく、親切にしていただいて、それだけでも来てよかったと思えました。目的地の一つに、洒水の滝というのがありましたが、滝を見た後は、花より団子よろしく、滝よりパンケーキということで、パンケーキを食べに行きました。飲食店はおろか、商店などもほとんどないと言ってもいいような場所に、なぜか、パンケーキのお店があるのは、まるで奇跡のような感じでした。

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という訳で、ほんとは、この先もまだまだあるのですが、キリがないので、今日は、ここまでとさせていただきます。大野山の頂上に行っても誰もいなかったこと、そこの牧場にも行きましたが、時期的に牛も羊も1匹もいなかったこと、そしてお約束の温泉に行ったことなど、割愛させていただきます。

ただのブログみたいになってしまいましたが、ガソリンが104円/ℓというのは、ありがたいのですが、現状はかなり深刻なのではないかと思います。ガソリンが安くなってよかった。という、ただのおめでたい人になれればいいのかもですが、年明けから株の大暴落やテロなど、もしかしたら、大規模な経済破綻が迫っていて、のんびり低山ハイキングなどをしている場合ではないのかもです。そして、低山ハイキングを楽しんだ後日、近所で、母子のホームレスを見かけたのが衝撃的でした。

この日本で、都内で、世田谷区内で、です。給食が唯一の1日の食事という、貧困家庭の子供たちがいる現状。そして「子ども食堂」。いつからこんな国になっちゃったのかと思わずにはいられません。さらには、年金資金の株式市場への直接投資とか、信じられません。なんていいますか、世の中のおかしさに気づくことができずにいるほうが、テロなんかよりもずっと怖いのではないかと思います。

という訳で、最後はいきなり話題が変わってしまいましたが、ミカンおじさんのような素朴な日本人の心を大切にしたいと思っています。

それでは、また。

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漆野淳哉 コラム Vol.084 【雪山ドライブ】  

初雪や聖小僧の笈の色(芭蕉)

みなさん、こんにちは。

先日、雪が降りましたが、大丈夫でしたでしょうか? 

私は、よりによって、雪山に出かけてきました。今月は、仕事の予定はなかったのですが、なんと、神様に呼ばれて、神社の写真を撮りに行ってきました。ガソリンが、102円/ℓなのはありがたいのですが、スタッドレスのタイヤじゃないと無理そうなので、レンタカーを借りました。で、雪の道を走って、なんとか無事にたどり着きましたが、さすがに雪で参拝客もほとんどいないので、のんびりと写真を撮ることができました。それにしても、まったく信心深くない私が、神社の写真を撮る機会が多いというのも、可笑しな気がしますが、なんていいますか、実は、ここだけの話、俳聖に密かに憧れています。松尾芭蕉です。

旅をしながら、風流な句をひねって、また旅をする。そうしたライフスタイルといいますか、ライフワークがなんとなく理想に感じています。 野ざらしを心に風のしむ身かな(芭蕉)

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松尾芭蕉が旅先で詠んだ句は、今では多くの人に知れ渡り、日本各地に句碑まで建っている訳ですが、そんな生涯が羨ましく思います。

私も作詞だけではとても生活できないので、仕事と称して、あちこちに出かけて写真を撮ったりしている訳ですが、それはそれで、ある意味
、理想に近い形で、旅と作詞を両立できているので、ほんとにありがたいことだと思っています。誰が言ったのか忘れましたが、アイデアは移動した距離に比例する、というようなことを言った人がいますが、さもありなんかと思います。

霜を着て風を敷き寝の捨子哉(芭蕉) それにしても、松尾芭蕉は偉大な俳人ではないかと思います。今と違って、車や電車もなく、スニーカーやコンビニもない時代に徒歩で各地を行脚し、たった17文字の句の中に最新のデジタル一眼レフよりも鮮やかに一瞬を切り取っているのではないかと思います。と、そんなことを思いながら、帰路は関東最大級といわれる温泉に浸かってきましたが、ここのジャグジーは水圧が強くて、またアロマサウナの温度が高すぎて、最高でした。 84-2

という訳で、今回も個人的な話になり恐縮ですが、理想の作詞スタイルについて、言及をさせていただきました。芭蕉にはとても及びませんが、世の中には作詞できる人が、ごまんといる訳ですが、年末からここ最近まで、少しずつ作詞のご依頼をいただいておりまして、本当にありがたいと思っています。

それでは今日は、このヘンで。