作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.012 「言霊と音霊」
☆ みなさん、こんにちは。
今日も雑感で、「言霊と音霊」についてです。 なんとなく、そんなものって、もしかしたら、 ありそうで、ないんじゃないかと思ったりします。
でも、ひょっとしたら、あるのかもしれません。 なんていいますか、見えないセカイの話のようで。。。。
言霊ですが、Wikipediaには、 「一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。」 などと書かれています。
私の勝手な雑感ですが、 言霊がもしあるとしたなら、1つの単語にあるというよりは、 複数の言葉が微妙に、または精妙に組み合わされた場合と、 絶妙なメロディに乗っかった時に、 そして、素晴らしい歌い手さんの声霊の力を借りた時に、あるのかも、と思っています。
そして、音霊ですが、こっちは、言霊よりも、むしろ個人的には、 その存在を確信しています。
これはあくまでも、作詞をする立場からの発言ですが、 凝ったアレンジの楽曲よりも、むしろシンプルなアレンジの楽曲のほうが作詞しやすいです。 作曲家サンは、なんとか曲の雰囲気を伝えようと、これでもかといった感じで、 ド派手なアレンジを施したりしてくれるわけですが、 かえって、元のメロディが聞き取りにくくなってしまって、思いがけず作詞に苦戦してしまい、 しばしばmidiデータをもらったりすることもあります。><; で、音霊ですが、 音霊が宿っているメロディなら、アレンジがなくても、なんていいますか、 その楽曲の方向性といいますか、何を伝えたいメロディなのかが、十分に伝わってきます。
極端に言ってしまうと、アレンジが外見で「肉体」だとしたら、メロディは「魂」みたいな感じです。 「音霊」と言うよりは、「音魂」みたいな。。。 おっと、やっぱり、見えないセカイの話ですね。。。。>< なので、もしかしたら、私は、 メロディが本来持っている音霊と向き合って作詞をしているんじゃないかと、 よく思います。 で、音霊を宿している楽曲は、ホントに作詞がラクです。 メロディを聞いてるだけで、いろんな言葉が次から次へと浮かんで、 サクサク書けてしまうというような経験をどなたもお持ちのことと思います。 だから、書いてても、楽しくて仕方ない感じです。^^ そしてですが、 わかりやすく言ってしまうと、第一線で活躍している作曲家サンの楽曲には、 さすがに、ちゃんと音霊があるように思います。 もっとわかりやすく言ってしまうと、アマチュアの方の楽曲には、残念ながら音霊がないです。>< プロとアマの曲って、一体、何が違うんでしょうか? うまく説明できませんが、聞けばすぐわかりますよね。。。 それが、もしかしたら、音霊なのかもですね。。
結局、音霊のある楽曲は、言霊のある歌詞を呼び寄せているんではないかと思っています。 よく、いい曲には、いい歌詞が書けるなんて、いいますよね。 だから、これって、音霊のおかげかもですね。
しっかし、私は、どんな楽曲であろうと、いい歌詞を書いて見せます!! と強がってみたところで、今日は、このヘソで。
それではまた。
漆野淳哉
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作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.013 「サビは道連れ」
☆ みなさん、こんにちは。 今日は、サビについて話をしてみたいと思います。 いうまでもなく、サビって重要ですよね。 前回のコラムの続きでいうと、まさにその曲の魂そのものではないかと思います。
たとえば、テレビやラジオのCMで流れるのもサビだけだったりで、 とにかく、その曲の要となる最重要箇所で、 作曲家サンの魂の結晶のような大事な部分です。
以前、1曲だけご一緒させていただいたことがある尊敬する作曲家サンと 話をする機会があったんですが、かなりサビにこだわりを持っていて、 「このサビがわかってもらえないなら、もういいです」くらいの話をしてくれました。 なんとかく、カッコよかったです。 それだけ、サビに力をいれているというか、サビがすべてな感じで話してくれました。
というわけで、結論をいってしまえば、 そんな大事なサビには、「とっておきのフレーズを乗せよう」、ということです。
で、結論を言ってしまったので、今回のコラムはおしまい、 といいたいところですか、いくらなんでも、それでは短すぎるので、 例によって、雑談的な話を少々。。。 先ほど、CMでは、サピだけが流れるみたいな話をしましたが、 テレビのCMを観て、AメロやBメロは知らないけど、 とにかくサビのメロディが美しいと思っただけで、 思わずCDを買ってしまったなんてことは、もしかしたら、誰にもあるかもですね。 実のところ、私自身もそういう歌はいくつかあります。 ほんとにここだけの話ですが、タッキー&翼の「卒業」という曲がそうです。。。 そして、当時、着メロにもしていたなんて、絶対に人には言えませんが。。。。(滝汗;;; ま、そんな経験は、どなたにもあるかもですね。
で、話を戻して、サビには、とっておきのフレーズを書きたいところです。 いくら作詞するのが早いと言っても、 そんな大事なサビには、じっくりと時間をかけてみるのもありです。 個人的な話ですが、 仕事柄、あちこち旅に出かけることが多く、 そんな時、仮詞の依頼を受けることも少なくなく、 特に須田さんの曲は、よく飛行機の中で書いた覚えがありますが、 いつも同じ部屋で書くよりは、気分転換になって新鮮かもですね。 それで、サビは道連れとなったわけです。
旅じゃなくても、サビのフレーズを脳内再生しながら出かけるというのも、 いいかもです。信号待ちや、電車待ちとか、歩きながらとか、 思いがけず、いい言葉が浮かんでくるかもしれないじゃないですか。。
しっかし、作詞もほどほどにしないとです。 せっかくのデートの時とかも、普通に会話をしているフリをしながら、 実は、頭の中では、とっておきのサビのフレーズばかり考えてたせいで、 フラれちゃったなんて、洒落になりませんからね。。。 (☍﹏⁰)。
というわけで、今日はサビについてでした。
それではまた。
漆野淳哉