作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.001 「作詞は世のため人のため」  

はじめまして。

T&E Corporationで作詞をしています漆野淳哉と申します。

今回は、どうすれば作詞家になれるのかについて、少し話をしてみたいと思います。  

いちばん簡単な方法は、「作詞家」と書かれた名刺を作ることです。

作詞家になるには、試験も資格も必要ないからです。

これなら最速で、しかも安上がりで作詞家になれます。 とは言っても、これでは、ちょっと寂しいですし、やはり、実績がないと、 世間ではなかなか作詞家として認めてくれません。  

ちょっと、冗談ぽく言いましたが、結局、アマチュアの作詞家でしたら、 誰でもなれる、ということを言いたかったわけです。  

では、プロとアマチュアの違いとはなんでしょうか? 作詞や音楽とはまったく関係ない金児昭さんという方の言葉ですが、 こんなふうに言っています。

「プロはお客様に喜んでもらうことを常に考えながら鍛練に励んでいる。 対するアマは自分が喜び楽しむことが最大の目的だ。」  

つまり、お客様というのは、歌ってくれるシンガーやアーティストであり、 また、聞いてくれるリスナーでもあるわけですが、

要するに、自分以外の人のために喜んでもらえるような歌詞を 書かなくてはいけないんだということです。   逆に言うと、 自分が書いたもので、人を喜ばせたり、幸せにできる、 ということで、なんとも素晴らしいことではないかと思います。

  先日、作家仲間の須田悦弘さんが、「音楽の力」というコラムを書いていましたが、 「作詞の力」というか、「歌詞の力」というのも、あるのではないかと思っています。 素晴らしい音楽と歌い手さんの力を借りながら、あくまでも脇役ですが、 人を感動させたり、元気づけたり、幸せな気分にさせたりできると思っています。  

そして、プロとは、結局、 「世のため人のために」歌詞を書ける人、 あるいは、作詞家にはそんな使命があるのではないかと思っています。  

おっと、話が大きく逸れてしまって、 どうすれば、作詞家になれるのかについて、書くつもりでしたが、 次回は、その件について、お話したいと思っていますので、 今後とも、よろしくお願いいたします。    

 

Vol.002 「好きこそものの…」  

前回、どうすれば作詞家になれるのかについて書こうと思って、話が脱線してしまいました。

今日は、作詞家になる方法について、書きたいと思います。  

前回は、名刺を作れば、誰でも作詞家になれる、みたいな話をしましたが、 名刺よりも、多少手間はかかりますが、もっといい方法があります。

それは、「作詞家○○のホームページ」みたいな、HPを作ることです。

ネット時代ですからね。 おしゃれなデザインで作れば、より効果的です。

そして、名刺にHPのURLでも書かれていたら、もう完璧です。  

おっと、また、冗談ぽくなってしまいましたが、 作詞家になる方法は、作詞家になった人の数だけあるかと思いますので、 ここでは、私の主観的な話をさせていただきます。 なので、あくまでも、参考程度に読み流していただければと。。。  

真面目な話をするなら、極めてシンプルです。 ひとことで言うと、実力をつけること。 これに尽きると思います。  

よく自分には音楽関係にはコネがないので、 なんとか、繋がりが欲しいとか、紹介して欲しいとか、そんな相談をされたこともありますが、 実力がなければ、どんなにコネがあっても、チャンスはないですよ、きっと。 むしろ、ピンチが待っています。

  逆に、コネなんかなくても、実力をつけていれば、 運もチャンスも味方してくれると思います。 では、どうすれば、実力がつくのか。

それは、やっぱり、たくさん書くしかないかもですね。 そして、人並みに書いてたら、人並みにしかなれないので、 人並み以上に書いて書いて書きまくるしかないんじゃないかと思います。  

では、どうしたら、人並み以上に書けるのか。

それは、作詞がほんとに好きじゃないと無理です。  

好きっていうだけで、それは膨大なエネルギーです。

そして、好きで書いてたら、楽しいですし、いくらでも書けるんではないかと。 私の場合は、人並み以上に作詞が好きで、ひと晩に20個とか、 年間1000以上書いたこともあります。まるで病気です。 もちろん、アマチュア時代の話で、いまは、なんとかリハビリして、 病気も治まってますが(笑;)、 書くときは、楽しみながら、

そして、夢中で書いてます。^^)/ もしかしたらですが、作詞に限らず、ほんとにプロの人は、 アマチュアの人と比べて、「好き」の度合いが全然違うのかも知れません。 それでいて、そんな素振りを見せず、平然と振舞っていたりしますが、 きっと、みなさん相当な努力を積み重ねているんではないかと思います。  

とにかくたくさん書いて、実力をつけて、そこから、道は開けると思います。 そして、ある程度、実力がついたら、作詞のコンペにも参加でき、 どんどん実績を作っていけるのではないでしょうか?   というわけで、 次回は、作詞コンペについて、話をしたいと思っていますが、 最後に、たくさん書くことのメリットについて。  

たとえば、英語のテストを受けるとして、 英単語を100しか知らない人が、1万語も知っている人に、かなうはずがありません。

たくさん書く、ということは、単にボキャブラリーが増えるというだけではなく、 作詞に必要なアイデアであったり、内容や構想であったり、展開や言葉遊びにいたるまで、 自分だけの使えるネタがどんどん蓄えられていくことを意味します。

だから、たくさん書いてる人には、なかなか勝てないかもなんです。 しかし、その蓄えも、使い果たしたり、先に誰かに使われちゃったり、 あるいは時間とともに色褪せてしまったりするので、

プロと言えども、常に書き続けていないとダメなんですね。   それでは、また。。。

  漆野淳哉