漆野淳哉 コラム Vol.123 作詞のヒント8 「映画の中の言葉」  

みなさん、こんにちは。

年末ということで、連日、映画を観て過ごしていますが、今年観た映画で、 面白い映画はありましたでしょうか?

 今年封切られた映画で期待していた映画は いくつかあったのですが、期待していた大作に限って、期待外れだったりという ことが少なくありません。というか、むしろ期待外れのオンパレードだったような 気がします。><

そして、最近の映画は、映像優先で最先端の技術を駆使して、これでもかと 言わんばかりの迫力映像ですが、プロットや脚本がいまいちだと、せっかくの映画 もその魅力が半減してしまうような気がします。やはり、私の場合は、脚本を重視 して観ていますので、なんて言いますか、最近の歌にたとえるなら、いくらド派手 なアレンジを施していても、歌詞がしょぼいと、歌としての感動を伴わないのと 似ているような気がしますが、みなさんはいかが思われるでしょうか? ちょっと極端ではありますが、ある映画を観て、何かしら印象に残るようなセリフ やフレーズがある映画とない映画とでは、その評価が分かれてしまいます。 そういう意味で、もっと脚本にも力を入れてほしいと個人的には思っています。

そこで今日は、秀逸なシナリオの映画を1つご紹介させていただこうと思います。 ちょっと古い作品で恐縮ですが、ピーター・ウィアー監督の「いまを生きる」(1989)と いう映画です。大学進学を目指す全寮制のエリート校に就任した英語教師が、 詩を通じて、生徒たちに、人生の儚さや素晴らしさを説いていく物語です。 ロビン・ウィリアムス扮する英語教師のキーティングは、型破りな授業で、 たとえば、詩を論じる退屈な教科書を破らせたりして、詩論よりも、 一人ひとりの感性を尊重することを伝えます。 そして、古代ローマの詩人ホラティウスの詩に出てくる「カルペ・ディエム= その日をつかめ」という言葉を引用して、人生について熱く語り、数々の詩を 引用したり、名言を吐きます。

Seize the day, boys. Make your lives extraordinary. 人生をとびきりのものにするんだ! 我々が詩を読み書きするのは、カッコいいからじゃない、人間だからだ。 人間は、情熱に満ちている。 医学、法律、ビジネス、工学、これらはすべて高貴な追求であり、 生きていくうえで必要なものだが、我々が生きるのは、 詩、美、ロマンス、愛のためだ。

言葉はなぜ発達したと思う? 女を口説くためだ。 発見があれば、何でも詩になる。 自分の詩をありきたりのものにしてはいけない。 自分の声を見つけるんだ。 こんな調子で、詩の素晴らしさや人生を語っていきます。

そして、生徒の一人に即興で詩を作らせると、 「真実とは、足がはみ出る毛布のようなものだ」という映画史に残るような 名言が生まれます。

この映画の中には、作詞をするうえでも重要なヒントが 散りばめられているのではないかと思います。地味な映画ではありますが、 バイオレンスばかりがもてはやされる昨今の映画の中にあって、たまには知性や 感性に訴えかける映画もいいのではないかと思い、ご紹介させていただきました。

余談ですが、もうひとつ、前世紀の映画ですが、デヴィッド・フィンチャー監督の 「ファイトクラブ」(1999)という映画も、いろいろと気づかされる名言の宝庫で、 秀逸な作品ですが、なんて言いますか、この映画は、バイオレンスに満ちた 血生臭いシーンが多いので、好みが分かれるところでもあり、端折りますが、 いずれにしても、「いまを生きる」も「ファイトクラブ」も名作映画ではないかと 思いますので、機会がありましたら、ぜひ。 という訳で、今年最後のコラムとなりました。 ありがとうございました。

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Vol.124 フランジパーニの木の下で

みなさん、こんにちは。

もう1月もすっかり後半戦ですが、本年もよろしくお願いいたします。

今年最初のコラムとなりますが、まずは、僭越ながら、告知をさせていただきます。

1月1日に発売となりました、りりこちの5thシングル「ポジティブル★」「百火繚乱」の作詞をさせていただきました。

また、1月11日発売となりました、ONEの1stアルバムですが、新曲の「SUN Q!!」を含め、全曲作詞をさせていただきました。

機会がありましたら、ぜひお聞きいただければと思います。m(_ _)m

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さて、冬真っ只中ですが、みなさんは、いかがお過ごしでしょうか?

このコラムでも何度か言及させていただいたかと思いますが、私は寒いのが全然だめで、暑いのは全然平気なので、というか、むしろ猛暑が大好きで、先日、バリ島に行ってきましたので、今日は、僭越ながら、その話を断片的にさせていただこうかと思います。

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なんて言いますか、南国の島に行くのが好きで、沖縄やサイパン、ハワイなどでは飽き足らず、これまで、バリ以外にも、インドネシアでは、ジャワ島、スマトラ島、カリマンタン島、ビンタン島など、タイでは、プーケット島、サムイ島、タオ島、パンガン島など、マレーシアでは、ペナン島、ランカウイ島、ボルネオ島、ラブアン島など、フィリピンでは、セブ島、ボホール島など、ベトナムではフーコック島など、主に東南アジアが多いですが、あちこちの島に行ってきました。

また、島だけではなく、ビーチリゾートも好きで、タイのホアヒンやマレーシアのポートディクソン、ボルネオのダマイビーチやジャワのパガンダランなど、普通の日本人なら滅多に行かないようなディープな(?) ビーチリゾートにも行ったりしました。おかけで、随分と旅慣れておりまして、今回のバリも楽勝の予定でしたが、出かける直前に不運にも、と言いますか、情けないことに、GKになってしまい、結構、悲惨な旅となりました。。(><;) 

油断すると、年に1~2回やってしまうのですが、今回のGKは、かなり重度で、ベッドから起き上がるのもひと苦労で、歩くのもままなりません。

ちょっと大袈裟かも知れませんが、アイザック・ニュートンは、リンゴの実が落ちるのを見て、万有引力の法則を発見したと言われてい
ますが、私は、ぎっくり腰になって、この星の重力を再認識した次第です。

普段、当たり前に起き上がったり、歩いたりできている訳ですが、GKになってみると、そんな当たり前のことができず、あらためて、地球の重力の大きさを痛感しました。

ですので、街やビーチを歩くよりも、海やプールなど、水の中を歩いていたほうが数段ラクでした。かといって、南国の花が咲くプールで、リハビリばかりもしていられません。

前回、バリに来た時には、まだ世界遺産に登録されていなかったので、今回は、4つの世界遺産をまわりたいと思っていました。 2

結局、腰に激痛を走らせながらも、無理をして、世界遺産はなんとか制覇できましたが、腰にコルセットを巻いて、弱々しい足取りでまわりました。

世界遺産の話をすると長くなるので端折りますが、それとは別に、バリには、風葬の習慣が残る村があり、訪れる日本人はほとんどいないそうで、ぜひ行ってみたかったのですが、断念。風葬というと、みなさんは、どんな景色を思い浮かべるでしょうか? あと、バリと言えば、闘鶏です。あちこちでやっていますが、これに関しては、興味がないというよりは、ちょっと鶏が可哀想に思います。

鶏の足に必殺の鋭利な刃物を付け、どちらかが死ぬまで闘わせる訳ですが、そこまでしなくてもと。。今ではギャンブルの対象になっていますが、もともとは、荒ぶる神に流血を捧げる生贄の儀式で、死なないと意味がありません。神は野蛮で残酷です。 3

それから、バリと言えば、ウブドが人気ですが、「原宿みたいになっちゃった」と誰かが言っていましたが、すっかりただの観光地になってしまって、これも仕方のないことなのかも知れませんが、ウブドでは、王宮でレゴンダンス&ラーマーヤナ舞踏劇を楽しんで、バリを満喫してきました。

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GKのおかげで、いつになく悲惨な旅になりましたが、やっぱり、波の音を聞きながら、南国の花が咲く木の下で、のんびり過ごしてる時間がいちばんだったりします。余談になりますが、数年前に、そんなバリをテーマにした「バリの休日」という歌を書きました。機会がありましたら、ぜひお聞きいただければと思います。

という訳で、今回は、冬休みモードで失礼いたしました。

それでは、また。

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