漆野淳哉 コラム Vol.105  La Belle Verte

みなさん、こんにちは。

私事で恐縮ですが、先日、新調したばかりのサングラスを踏んづけて、全損してしまいました。なかなか気に入ったのがなくて、やっと見つけたお気に入りのサングラスだったので、サングラスも凹みましたが、私も凹みました。>< しかし、たとえば自然災害に被災した方などは、サングラスどころの話ではないですね。家ごと全損したり、あるいは、大切な家族まで奪われてしまったりで、あらためて、ちっぽけな自分を感じました。いきなり、個人的な話になってしまいましたが、この6月は、緑の中に身を置くことができました。なんていいますか、木々や草の緑も、新緑から本緑へと移りゆく中、爽やかな風と光の祝福をいただきました。

なんちゃってですが、そんな環境にいて、また、田舎暮らしを楽しんでいる人たちと接触して、ふと、La Belle Verteという映画を思い出しましたので、今日はその話を少々させていただこうと思います。

105-1

La Belle Verteは、もう20年も前のフランス映画です。「美しき緑の星」という日本語のタイトルで、ある種のユートピアのような、牧歌的な自給自足の暮らしを楽しんでいる人々の住む平和な星があります。ある時、星外派遣の話になりますが、地球は、圧制、不平等、差別、独占、飢餓、貨幣経済がはびこるひどい星という訳で、誰も地球には行きたがらないといった設定です。また、かつてこの星から、キリストとバッハが地球に派遣されたということになっています。

ま、そんな感じですが、1人の女性が地球に行くことになって、パリの街に降り立ちます。汚れた空気や食べ物をはじめ、現代社会のあらゆるものが批判の対象となって、風刺されていきます。彼女の特殊能力で、地球の人たちを「切断」していく訳ですが、あんまり話すとネタバレになってしまいますので、あとは、映画をご覧いただければと思います。

この映画は、あたりまえになっているといいますか、刷り込まれたおかしな価値観を根本から問い正すそんな映画です。冒頭のサングラスの話じゃないですが、車のドアミラーがほんの少しぶつかったというだけで大騒ぎしているオジサンも、この地上では多くの人が餓死しているのに、恵まれいるあなたは、なぜこんなことで大騒ぎするんだ、毎日牛乳をくれる牛に感謝しろ!! とたしなめられます。(笑)  「切断」とは、刷り込まれた価値観、洗脳された考えからの解放を意味しているのでしょうか。

105-2

都会に住んでいると自然の中に身を置きたくなりますが、また、田舎に住んでいると都会に憧れたりもする訳で、本来、人間は、どこにいるべきなのか、よくわからなくなりますが、みなさんはどのようにお考えでしょうか? ある程度、便利な世の中は歓迎ですが、あんまり便利過ぎると、なんにもしなくてよくなってしまい、存在する意味さえなくなってしまうと思うのですが。。。 数は少なくなってしまっていますが、近所に野鳥がいる環境に私は満足しています。

という訳で、今日は、La Belle Verteについて、僭越ながら、少しお話をさせていただきました。それではまた。

105-3

 

———————————————-

作曲家 須田悦弘コラム お客さんウィーク

ーーーーーーーーーーーーーー

お客さんウィーク

ーーーーーーーーーーーーーー

 

こんにちは、須田悦弘です。

相変らず、こもって制作の日々を過ごしておりますが、

珍しく先週は客さんがお二人、いらっしゃいました。

一人は、私がメジャーリリースするきっかけを作ってくれた方。

ドラマーで、昔、一緒にバンドを組んでいた仲間でもあります。

オリジナル曲やICEなどのコピーをしておりました。

もう何年もお会いしていなかったのですが、久々に会いましょうということで。

その方が先に、ある作家事務所を通してコンペをやっておりまして、

私も同じ事務所に紹介していただいたので、

きっかけどころか、まるまるその方のお陰かもしれません。

コンペだろうが何だろうが、メジャーリリースにつながるお話に

ワクワクしながら作曲をしていた当時の気持ちを思い出しました。

好きな音楽は傍に置いておいても、のめりこむ魅力がありました。

まさか自分がアイドル向けのポップスを作ることになるとうは、

思ってもいなかったのですが、やってみるとこれが意外に楽しく、

楽しく作って、研究して、また作って、繰り返しておりました、当時。

もうお一人は、私よりもずっと若くて、ずっと実績がある大作曲家さん。

ご縁があって半年ほど前から、スカイプで音楽理論を教えています。

R&Bなどジャズの要素が入った曲を作りたい、

お洒落なテンションコードを使いたい、という明確な目標をお持ちでした。

私なんかが先生で良いものか、とも思ったのですが、

私のほうも、その方の作る独特なメロディーが以前から好きだったので、

これは自分にも勉強になるだろう、と思い、お引き受けしております。

先週はスカイプではなく、直接いらっしゃることに。毎回、

「この音ってこういう仕組みだったのか!カッコイイと思ってたけど

どうなっているのか分かっていなかった。早速次の曲から使う!」

的な、非常にお話しがいのあるリアクションをしてくれます。

同業者としたら末恐ろしすぎるのですが、すでに恐ろしいので、

あまり気にせず知っていることは全てお話しております。

というわけで、お客さんから刺激をいただいて、

気分もあらたに今週も張り切ってまいります!

須田悦弘