作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.034 「Write more, Desire less」  

みなさん、こんにちは。

今日は、まじめに、作詞に対する信条と言いますか、 心構えについて、僭越ながら、少し述べさせていただきたいと思います。 コンペが主流(?)のこの世界は、大げさに言いますと、 作詞家戦国時代、作曲家戦国時代みたいな感じだと思います。 なので、書いても書いても、なかなか採用されずに、 作詞家や作曲家になることを断念する人も 少なくないのではないかと思います。 そんな時は、英語で恐縮ですが、 Write more, Desire less みたいな感じでいけたらと思っています。

つまり、 誰よりも、たくさん書いて、 誰よりも、期待は少なく していれば、いいのではないかと。。。

これは、チェスタトンだったか、誰が言ったのか忘れましたが、 裕福になるためには、2つの方法があって、 より多く作ることと、より少なく望むこと みたいな内容だったと思いますが、 それをちょっとアレンジしたものです。 「たくさん書いて、多くを望まない」 を信条にしていれば、 不採用になっても、あまり凹まずに済むのではないかと思います。

たとえ、採用にいたらなかったとしても、 コンペは、いろんな意味で大きなチャンスです。 与えられたその機会に、 もしかしたら、傑作が書けるかもしれません。 必殺のワンフレーズを思い浮かべることができるかもですし、 新しい言葉を見つけたり、 すごいアイデアを思いつくことができるかもしれません。

1回1回が真剣勝負なので、 毎回、まじめに参加していれば、 知らず知らずのうちに、実力もつくのではないかと。。。 なので、 せっかくのチャンスなので、 じゃんじゃん書きまくって、しかし、あまり多くを望まないでいられれば、 いたずらに傷つくことも少なくなるかもです。 と、言いながらも、 私自身、やっぱり、自信作とか書いても落ちてしまうと、 ダメージは、小さくありません。 人一倍、凹んでいるかも知れません。>< 誰よりも、たくさん書いて、 誰よりも、凹んでる こんなことを言ってしまうと、元も子もありませんが、 悔しさをバネに頑張っている訳です。 そして、世知辛く、なかなか甘くはない世界なので、 せめて現実生活の中では、アイスクリームやパンケーキなど 甘いものを食べていたりします。 DSC_9654

なんか、最後は、ブログのようになってしまいましたが、 今日は、このヘソで。

それではまた。

漆野淳哉

 

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作曲家 須田悦弘 コラム 「スカイプレッスン」  

こんばんは、須田です。

  私は、T&Eコーポレーションで作曲のお仕事をいただいているのと併行して、 スカイプを通じて、新人作家さんへのレッスンなぞ、行っております。  

1コマ30分。直接お会いできるわけではないので、限界はあるのですが、 それでも、経験しているうちに、随分とコツというか、掴めてきた気がしますし、 最初の頃よりも、明らかに余裕が出てきました。  

そう、自分が教わる側の時は気付かなかったのですが、 いざ教えている立場に立ってみると、緊張していたりするんですね。

そして、この緊張が無くなったらダメなんじゃないかと思います。

  おっと、今回お話したかったのは、そんなことではなくて。 色々な方のお悩みを聞いているうちに、分かってきたことがあります。

まず、以下の2つのお悩み相談が間違いなく来ます。  

「サウンドも勿論だけど、曲自体に自信がない」 この悩みの持ち主の方は、ほぼほぼ、曲自体は良いセン行っているんです。

何を隠そう、私も曲自体に自信がないです。おっとまた話が。 何がしかのジレンマを抱えているということです。 ということは、そこを乗り越えようとするエネルギーと、 乗り越えた後の進歩が待っている、ということですよね。  

そしてもう一つは、 「サウンドに自信がないんです。曲は自信あります」 というお悩み。曲を聴かせていただくと、おいおい、サウンド以前に、 音符が間違えだらけだよ、これは音楽じゃなくてノイズだよ、となります。 自分の問題点がどこか、まだ気付けていない状況、ということですね。

  色々な悩みをお持ちの方に私から出来るアドバイスとしては、 楽器無しで作曲できるかどうかやってみて下さい、ということです。 公園のベンチに、五線紙を持って行って、メロディ、ハモり、コードが作れるかどうか。

空想だけで、頭の中だけでアンサンブルが構築できるかどうか。 これが出来ない場合には、まず、サウンドの前に、曲づくりを考える段階だと思われます。

  須田悦弘