作曲家 須田悦弘 コラム 「故郷」

「故郷」について   今回は、音楽とは全く関係のない話で。

  私には「故郷」と思えるところが、ありません。 如何せん、平均3年スパンで、南関東1都3県を引越ししておりましたもので。 それぞれの場所に思い入れはあるのですが。  

メリットと言えば、 「え、鈴木さん吉祥寺に住んでるんですか。僕も昔、武蔵野市に住んでたんです。 隣町ですね。どのへんですか。あら!境界をはさんで目と鼻の先じゃないですか。」 のような会話の登場頻度が異様に高いこと、くらいでしょうか。   今住んでいる場所は、2年間の「中座」を含めて、かれこれ10年近くなるので、 隣人とお土産を交換したり、商店街に声をかけてくれる方が出来たり、 「地元」という感覚は芽生えてきたのですが、やっぱり故郷とは違いますよね。  

「故郷」に対する私のイメージは、そこに帰れば、親戚や幼なじみが、 住んでいるか、住んでいなくても、正月には集まって来て、際限なく昔話が出来る空間、です。 思い出したくないことも含めて、子供のころの気持ちに戻れるんだろうなあ。  

そんな私にとりまして、先程「中座」と表現した時なのですが、 その2年、長野県駒ケ根市という所に住んでおりまして、ここが「故郷」感に近い場所です。   そこでは、ご近所付き合いが濃くて。 家の前で焼き肉をしたり、日食を見たり、野菜・果物・キノコ・お米をいただいたり。 これはビックリしたのですが、ご近所の子が勝手に家に上がって、ウチの犬と遊んで行ったり。

  2年間の終盤、退居間近のある日の夕方、家の前にテーブルを出して、 感傷に浸りながらチビチビ飲んでいたら、 いつのまにかご近所を巻き込んだ深夜までの飲み会になったことも。 いや、「集まってきて欲しいオーラ」を出していたのかな?   そんな駒ヶ根市ですが、旅行で行くにも良い場所です。 中央アルプスと南アルプス、両方が見えて、絶景なんです。 特に中央アルプスは、麓から遮るものがないので、 ダイレクトに3000m近い千畳敷カールまでドーンと見えるんです。   暮らしていた家からの景色↓ DSC_0409

このコラムで、不定期に見どころを紹介していこうかな、と思っています。

  それでは、また。

 

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作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.026 「Iconoclast~前篇」  

みなさん、こんにちは。

すっかり寒くなってきました。 寒いのは苦手ですが、この年になっても、 風邪のひき方がわからず、おかげさまで健康です。

さて、今日のテーマは、Iconoclastです。 なんでしょうね? 今回も12月の妄言シリーズです。 人は誰でも、すっかり出来上がった社会に生まれてきて、 そこにどっぷりと染まっていくわけですが、 染まり過ぎて、おかしなことでも、当たり前になってしまっていて、 気づかないなんていうことがよくあります。

そして、自分で考える習慣が削がれてしまっているような気がします。 たとえばですが、小学校、中学校の義務教育。 というよりは、どうして、学校であんなにつまらないことを 9年間もかけて勉強し続けなければならないのか。 子供ながらに、ずっと疑問に思っていました。 外で遊びたい盛りに、四角い教室で、面白くないお勉強です。

しかし一般的には、誰も文句など言わず、当たり前になっている例ですが。。。

ま、たま~に面白い先生がいて、中身のある話をしてくれたこともありますが、 ほとんどは、つまらなくなかったですか? なので、熱心に勉強している人たちは、 もしかしたら頭がおかしいのではないかとさえ思ったりしましたが、 そう考えるほうが、おかしいと思われたりで。。。>< 同じ9年もかけるのなら、もっと、何て言いますか、面白くて、ためになり、 役に立つような授業内容にするべきだと思うのですが。。。 それに比べると、江戸時代の寺子屋というのは、 優れていたのではないかと思います。

もちろん寺子屋は義務教育ではありませんでしたが、 江戸末期には、日本の識字率は世界一だったようです。

そして、みんなが高校に行くから、勉強なんて全然好きではないのに、 高い学費を払ってでも行く。とてもおかしなことだと思いますが、 それが、当たり前になっています。 まわりを見渡すと、おかしなことばかり。 東京の水道は世界一の水準を誇ります。 海外に行くと、水道水が飲める国なんて、極わずかで、 水を飲むためには、ミネラルウォーターを買わなければなりませんが、 日本は、水道水だけではなくて、世界にも誇れる名水、天然水の宝庫なんです。

それなのに、コンビニには、わざわざ海外から輸入したミネラルウォーターが並び、 売れているわけです。 それから、都会でも、いまだに終電があり、乗り遅れると、厄介なことになります。

こんなに便利な時代なのに、電車がストップします。 コンビニなどがなかった昭和中期のことならわかりますが、 いまは、スーパーでさえ深夜営業していたり、夜中に活動している人口が多いにもかかわらず、 どうして、電車やバスは、24時間営業にならないのか、その理由を知っていますでしょうか? そして、極めつけは、2014年12月現在、こんなにも技術革新が進んで、 飛躍的に生産性が上がっているにもかかわらず、残業をするのが当たり前だったり、 いまだに戦争や貧富の差がなくならないのは、おかしすぎる話なんです。

脈絡もなく、おかしいと思うことを挙げてきましたが、 特に、いまだに戦争や貧富の差がなくならない理由をよく考えてみると、 ある日突然、「はっ」と気が付くかもです。 そうだったんだ!! と。

かつてないほど、今は豊かな時代で、本来は、誰もが豊かに、 そして平和に暮らせるはずなんです。

ま、そんな思いを「Iconoclast」という歌に込めて書きました。 しかし、「Iconoclast」というタイトルは、仮タイトルでした。 もともと、鳥海剛史さんの仮詞があって、そのタイトルが「Iconoclast」だったのでした。 おっと、長くなってしまいましたので、 続きは、次回の後篇で。

それでは、また。

漆野淳哉