作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.017「替え歌のすすめ」  

みなさん、こんにちは。

今回は、珍しく少し作詞に関係ある話をさせていただきます。

そのまま「替え歌のすすめ」です。

  ふと、子供の頃のことを思い出しましたが、 学校では、いつも音楽の時間が楽しみでした。 なぜかというと、みんなで歌う時に、私だけ勝手に替え歌にして歌っておりまして、 もちろん、先生には、叱られるわけですが、結構、みんなにはウケたりしてまして、 みんなも私の替え歌の新作を楽しみにしてくれていたような感じでした。   1曲だけご紹介しますと、これは、替え歌でもなんでもないですが、 「アロハ・オエ」という歌では、「オエ」のところを、大げさなジェスチャー付きで、 「オウェ~ぇ」と、まるでゲ○を吐くような感じで歌ったりして、 いま思うと、まったく、しょ~もない子供でした。><; 昭和のコントみたいで、ちょっと例が悪すぎましたけど、>< 替え歌というのも習慣にすると、 スラスラといろんなフレーズが浮かんでくる訓練になるかもなので、 おすすめです。

特に、耳に残るサビのフレーズは、どんどん作り替える訓練をしていると、 イザという時、役に立つかもです。

  話は変わりますが、コンペなどで、シンセメロではなく、 仮歌詞のある仮歌デモが送られてくる時があります。   この場合は、替え歌ではダメだと思います。

仮歌詞といっても、結構、ちゃんとした歌詞が乗ってる場合がありますが、 こういう時こそ、腕の見せどころで、その歌詞よりもいい歌詞を書けばいい訳です。 ひとつのヒントとして、一番いいメロディに、勝負フレーズを乗せると勝算が高くなると思います。 ここまで来ると、作詞とは、書きたいことを書くのではなく、 勝ちたいためのフレーズを考えることになってしまうかもしれませが、 そのためにも、日頃、気に入った歌などあれば、 どんどん替え歌にする訓練が、ひょっとしたら役に立つかもしれません。

余談ですが、かつて、HSJに「放課後レボリューション」という歌詞を書いて、 日テレでも放送され、なかなかカッコよくて、これは爆発的にヒットするかも、 と思ったのも束の間、@という間に、忘れ去られてしまいました。>< もともと別の歌詞があって、別企画で、別バージョンの歌詞を書いたわけですが、 ただの替え歌みたいにみなされてしまい、得意の泣き寝入りに終わりました。

しかし、勝てそうなフレーズを散りばめた結果、採用されたんだと思っています。   ま、替え歌でもなんでも、人の心を動かす力があれば、 いいんではないかと思っています。

  というわけで、なかば遊び感覚で、 替え歌を作ってみるのもいいかもです。   それでは、今日は、このヘソで。  

漆野淳哉

 

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作詞家 漆野淳哉 コラム Vol.018「詞先のすすめ~Somethingの旅」  

みなさん、こんにちは。 今日は詞先のすすめについてです。  

そもそも、なんで歌詞を書くんでしょうかね? そこが始まりのような気もしますが、それは置いといて、 今現在、コンペでも99%は、曲先なので、今さら詞先で書いてもと思われるかもですが、 詞先で書けるということは、書きたいテーマや内容がある、ということで、 とても重要なことではないかと思います。

  私の個人的な見解かもですが、曲先でしか歌詞を書いてない人の歌詞は、 なんとなく薄っぺらな感じがします。

自発的に、詞先で書く訓練というか、習慣というか、それを身につけていると 曲先なんて、英検5級みたいな感じです。  

また昔話ですが、私が作詞家になりたいと思っていた頃は、 今みたいにまだメールが普及していなくて、郵便が主流でした。 売り込むためには、詞先で書いた歌詞をレコード会社のディレクター様に 郵便で送るわけですが、何も考えていなかった私は、 いきなり、日本の某歌姫様のディレクター様に 歌詞を郵便で送ったことがありました。  

そんなことをしたのは、生まれて初めてだったんですが、 なんと、ご丁寧に返事をいただいて、感動したのを覚えています。 その時、鈴木さんという女性のディレクター様の手紙の一文で、 今でも覚えているのは、「歌詞とは、somethingを感じさせるものです」 というもので、それから私のsomethingを探し歩く旅が始まりました。   超大物シンガーのディレクター様から、いきなり、返事が来たので、 私も調子に乗って、次は、無謀にも、日本ロック界の大御所、 Mr.武道館と言われる矢○永○さんの事務所に歌詞を送りましたが、 当然ながら、相手にされませんでした。><   その時は、ちょっと気合いを入れて、 歌詞1篇ごとに自分で撮ったイメージ写真を添えて、 送ったのですが、まぁ、相手にしてくれる訳ないですね。。。 なんで、矢○永○さんかというと、一流の作詞家さんたちがこぞって、 カッコいい歌詞を書いているからで、 私もいつか、死ぬほどカッコいい歌詞を書いて、歌っていただきたいという夢は、 今でも持っています。

  話を詞先に戻しますが、私の場合は、詞先でも曲を付けられる人に 恵まれていました。

今どき、あんまり、そういう作曲家さんはいないかもですが、 探して、一緒に組んでみるのもいいと思います。

それには、この歌詞に曲を付けたい、と思わせるような歌詞を書かなくてはなりません それが、somethingなんだと思います。  

それでは、 今日は、このヘソで。

漆野淳哉