漆野淳哉 コラム Vol.131  raison d’être

みなさん、こんにちは。

久しぶりのコラムとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか? 

毎日寒い日が続いています。私事ですが、先月は3週間ほど韓国に行っておりましたが、11月なのに雪が降ったり、氷点下の日もあり、本気で寒くて、珍しく風邪をひいてしまいました。(><) 寒いのが苦手で、どうしても活動が鈍ってしまいがちですが、そうも言ってられず、先日は、上野の森美術館で開催している「怖い絵展」に行ってみました。

しかし、平日にもかかわらず長蛇の列で、入館まで130分待ちということで、断念しました。(><) よく人気のラーメン屋などにも行列ができていることがありますが、並んでまで食べようとは思わないタイプです。なので、残念ですが、速攻で諦めました。上野は、美術館や博物館の宝庫です。他の美術館や博物館をハシゴすることしました。。。

それにしても、わざわざ怖い絵を見に来て、行列に並んでいる人たちですが、寒空の下、2時間以上も並んでいるせいか、みなさん、心なしか怖い顔つきになっていたような気がします。。。

しかし、なんていいますか、芸術的な価値の高い名画ならいくらでもあるのに、「怖い絵展」となると、大盛況で、長蛇の列ができるというあたり、なんとなくですが、ヒット曲を作るヒントになるのではないかと思ったりしています。

で、東京都美術館で開催中のゴッホ展や西洋美術館などにも行きましたが、話しが長くなりそうなので、端折らせていただき、国立科学博物館で開催していた「古代アンデス文明展」について、少々お話しをさせていただければと思います。

この特別展のことは知らなかったのですが、どちらかというと、怖い絵展よりもこちらのほうが面白そうで、結果的には良かったと思います。特に間近で少女のミイラを観て、なんとも声にならない囁きが聞こえてきそうで、ゾッとすることができました。もしかしたら、怖い絵よりも、遥かに怖いのではないかと思います。さすがにミイラの展示コーナーは撮影禁止でしたが、古代の神々の絵や自分の首を切っている人物の土器などもあり、貴重な展示の宝庫で、あれこれと写真に収めることもできました。

なんていいますか、古代文明は、神々を知る手がかりです。今はまだ、神様を信じている人も多いでしょうが、いずれ神々の正体も明かされ、みなさん一様にガッカリする日も来るのではないかと思っています。しかし、神の正体を知る以前に、人間の正体について、納得のいく答えを出せる人は少ないのではないかと思います。人間とは何か? そして、「なぜ、どうせ死ぬのに生きるのか?」という素朴な疑問ながら、誰も的確には答えられない永遠の命題があります。実存主義の哲学者サルトルは、「人間は自由の刑に処せられている」などとうまいことを言っていますが、果たして本当にそうでしょうか? それはともかくとして、多かれ少なかれ、自分のraison d’être (存在理由・存在価値)について、考えない人はいないのではないかと思います。

というわけで、かなり無理がありますが、先日発売になったアルバムで、「raison d’être」という歌詞を書かせていただきましたので、僭越ながら、紹介させていただきたく。。。来年1月に開催される人気声優ユニットBELOVED MEMORIESの単独ライブに向けてのアルバム「BELOVED MEMORIES 1st MEMORIESPleasure~」の1曲です。詞先の歌詞ですが、須田さんに素敵なメロディを付けていただきましたので、ぜひお聴きいただけましたら幸いです。また、このアルバムでは、他にも何曲か歌詞を書かせていただいていますので、併せて、お聴きいただけましたら嬉しい限りです。全10曲入りで、購入されても損のない名盤ではないかと密かに思っています。